オオカミ御曹司に捕獲されました
ハハッと笑って社長が電話をブチッと切る。

もう電話が繋がっていないのに、俺はスマホを睨みながら「社長!」っと声を荒げた。

勝手に切るなよ!

どいつもこいつも、無責任過ぎやしないか!

大事な娘を独身の男に一晩預けるって……どういう神経してるんだ!

普段割りと冷静な俺だが、今の俺はかなり怒っていた。

「お客さん、どこに行けばいいですか?」

タクシーの運転手の声に俺はハッと我に帰る。

ハーッと盛大な溜め息をつくと、俺は自分の住所を運転手に告げた。

「青山まで頼む」

何が『ちゃんと責任を取れる男だしな』だ!

『家内の具合が悪い』って言うのは嘘だろう。

よくよく考えてみると、この展開……杉本親子にまんまとはめられたような気がする。

あの二人は、杉本さんに俺が手を出すのを期待しているのだろう。
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