オオカミ御曹司に捕獲されました
江口さんは、顔もいいし、仕事も出来るし女にモテるが、誘いに乗ることはない。
いつだって冷ややかな目で女を追い払う。
そんな彼が梨花さんの事を気にするなんて……いろいろ勘繰ってしまう。
「五十嵐さんはうちの大事な戦力だからな」
江口さんは澄まし顔で言う。
……本音を言うのは避けたか。
「……そう言えば、五十嵐さんを海外事業部に配属するように江口さんが人事にお願いしたって噂がありましたが、それは本当ですか?」
江口さんの目を見据えながら俺は揺さぶりをかける。
「下らない」
江口さんはメガネのブリッジを上げると、吐き出すように言った。
だが、一瞬間があった。
噂は本当かもしれない。
いつだって冷ややかな目で女を追い払う。
そんな彼が梨花さんの事を気にするなんて……いろいろ勘繰ってしまう。
「五十嵐さんはうちの大事な戦力だからな」
江口さんは澄まし顔で言う。
……本音を言うのは避けたか。
「……そう言えば、五十嵐さんを海外事業部に配属するように江口さんが人事にお願いしたって噂がありましたが、それは本当ですか?」
江口さんの目を見据えながら俺は揺さぶりをかける。
「下らない」
江口さんはメガネのブリッジを上げると、吐き出すように言った。
だが、一瞬間があった。
噂は本当かもしれない。