オオカミ御曹司に捕獲されました
「兄にたかるのはどうかと思うが。お前、昨日の事を早速親父に伝えただろう?黒のセダンにつけられてたんだ」

黒のセダンは親父の乗ってる社用車に似ていた。

数秒の間。

だが、妹は平然とした声でとぼけてみせた。

『あら?何の事かしら?』

全く、胆が据わっているというのも困りものだな。

フーッと溜め息を吐きながら妹に言い放つ。

「そんな誤魔化しが通用すると思うか?お前は仕事もしないでフラフラしてるから、余計な真似をするんだ。もう遊ぶのも飽きただろう?これを機に働くんだな」

冷たい口調で言ったが妹には効果がなかったようで、彼女はこちらが苛っとするような言葉を漏らした。

『私、ルールとかに縛られるのって嫌いなんですの』

今、目の前にいたら怒りで妹の頬をつねったかもしれない。
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