国王陛下の独占愛

 そして言い終わらぬうちにセヴェリはソリに口付けた。

 唇を食むように何度も熱を押し付けられて、徐々に深くなるキスに
 甘い痺れがソリの身体にわきあがる。

 ソリの身体から力が抜けたのを確かめるために、少し顔を話して
 ソリの顔を見たセヴェリはふっと笑うと、早い動きでソリを
 横抱きに抱き上げた。


   「あっ......」


 驚いたソリがセヴェリの首に抱きついたのに満足すると、セヴェリは
 ベッドの置いてある隣の間に向かって歩き出した。

 そしてソリの耳元に囁く。


   「パルヴォにはこう言っておく、そんなお茶は必要ないとな」



       *
       *
       *
       *




 次の年、ソリは元気な王子を生んだ。
 そして二年後には、双子の美しい姫を。

 セヴェリは善政を布き、人々から賢王と呼ばれるようになる。

 そしていつもセヴェリの側には王妃であるソリがいて、ソリの
 煎れる一杯のお茶があった。

 ソリの煎れるお茶は ”王妃のお茶” と呼ばれ賢王セヴェリの名と
 ともに長く世に伝えられた。




     〜 Fin 〜
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