あの日ぼくらが信じた物
「はいはい王女様お姫様、お待たせ致しました」


「もう、あきらくん遅いっ! 私待ちくたびれちゃった」


 みっちゃんはまだ拗ねるとほっぺを膨らますんだ。でもそんな所が可愛くて、ぼくはすぐに彼女の言うことを聞いてしまう。


「パパとママって、超ラブラブよね」

「そうだよぉ? ママは何だかんだ言っててもパパのことが超好きなんだ!」


「なによう! あきらくんだって私のこと超々ちょー好きな癖にっ」


 義足をはめたみっちゃんの為に、ぼくらはゆっくり歩き出す。今日は天気のいいお散歩日和だ。

来年はここにベビーカーが一台加わる。みっちゃんは聞くなって言ってたけど、男の子だって!

 結局ぼくはみっちゃんの背を超えることは出来なかったけど、あの日ぼくらが信じた物は今、確実に此処に在る。



これからもずっと!



                 《幕》




20090506daizz☆彡
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