SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
"ゴオオオオオオオ——ッッ!!!!"
吹きすさぶ風は、やがて炎の竜巻となって、建物すべてを焼き尽くした。
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"ゴゴゴ……バシュウウウウ……"
あたりには、もう、なにもなかった。
黒ずんだコンクリートの残骸、折れ曲がった鉄筋、灰色のけむり、むせかえる焼け焦げたにおい……
少女はもとの姿に戻っていた。
その瞳には、なにも映ってはいない。
なにも聞こえない、感じない、まるで生きる屍……
少女はただ、そこにいた。
捨てられた人形のように……