SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「……て、め!」

——ガッ

少年は力を振り絞り金髪少年に体当たりした。


「 痛っ、……てめえ、」


ゆらり、金髪少年が立ち上がる。


「しつけーんだよッ! とっととくたばれやッ!」

——ビュウンッ!


鉄パイプがうなりを上げて振り下ろされた。


「……っ!」


あたしは間一髪、


——ガシ!


素手でそれを受け止める。



「「「……!!」」」


警戒するように周りがザワついた。


「 なんだテメーは!」


トンネルの中は薄暗い。

さらにフードを深くかぶっているから、あたしの顔は見えないだろう。


「…………」


あたしは黙って立ち尽くす。すると、


——バキッ!


しびれを切らした金髪少年が、思いっきりあたしの顔面を殴りつけた。

多少体は動いたけど、倒れるほどじゃない。


「 誰だって聞いてんだよッ!」


金髪少年を先頭に、わらわらと周りにいた少年たちもあたしに敵意を向けてくる。


……よし。


一ノ瀬に言われた通り、一発打たせてやった。


……やるか。


あたしは"ボディ接着バリアー"を体に這わせる。


「シカトしてんじゃねーぞッ!」


瞬間、あちこちから鉄パイプが振り下ろされ、あたしの体を直撃した。


……でも、あたしは微動だにしない。


「「「……⁉︎」」」


沈黙する少年たち……


——グイ!

あたしは勢いよく鉄パイプを引き寄せて、


"ガガッ! ゴスッ……ガガッゴッ!"


少年たちにヒジや拳を浴びせていった。


「……ゥゥ、」


軽く打っただけで少年たちは動かなくなった。

ところが、


「 てめえ、殺してやるッ!」


大柄の一人の少年がギラギラした目でナイフを取り出す。
< 161 / 795 >

この作品をシェア

pagetop