SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
「……チッ、つーかおめえ、こっから出れねえって事かよ! 一体どうするつもりだ!」
「 だから、坊主が台に 」
「 坊主言うな! オレの事はテルって呼べ!」
「……テル 」
「……ハァ。台も何もこのザマだ。オレは身動き出来ねえ 」
「 なんで?」
「……なんでって、見て分かんねぇかよ!」
テルは体を揺すってみせる。
——ジャリ……
……あ。 今、気付いた。
テルの両手は後ろ手に固定され、柱のうしろではチャリチャリと手錠が金属音を立てていた。
「……そうか、」
「 おう、やっと分かったか……って、おい! ……おめえ、何してやがる…… 」
「……?」
あたしは大きなナタを手にしていた。
さっきモコちゃんを見つけた時、作業台の下でコレを見つけた。
茶色くサビ付いているけど、刃先はまだまだ光ってる。
"クゥン"
モコちゃんが怯えたような声を出す。
「 大丈夫だよ、モコちゃん 」
「……ま、待てコラ! オレは大丈夫じゃねえぞ! おめえ一体何する気だコラ!!」
「 テル、動かないでね 」
あたしはナタを振り上げる。
「……バ、バカッ……! やめろっ! おめえオレを殺す気かっ!!」
テルがサーッと凍りつく。
ピタッと固まった一瞬の隙を狙って、あたしはナタを振り下ろした。
"ガキイ……ンッ!!"
……よし。 成功。
手錠は鎖部分が真っ二つに切れた。