SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
……なんだろう。
急にザワザワしたものが押し寄せる。
————!
ガタン! ……ダッ!
「あっ! おいっ!」
立ち上がり、あたしは急いで店を出た。
「…………」
店の前の駐車場。
遠くの空を見つめながら、東西南北に向き合う……
「一体どうしたって言うんだ!」
少し遅れて奏太も店から飛び出してきた。
「……動き出した……」
「……あ?」
「抑えられてたのが一気に外へ出たみたい……」
「何を言っている」
「……イヤな予感……」
「またかよ」
奏太はウンザリした顔をする。
「……とにかく、戻るぞ 」
そう言うと、アジトの方へ歩き始めた。
「……うん」
あたしも奏太のうしろを付いていく。
「……さっきも言ったが、霊感の事、あんま大っぴらに言わねえ方がよくねえか……」
「……うん……」
「世の中、善人だけじゃねえ。あとで自分の首を絞める事にも……」
「……うん……」
話の内容はまったく耳に入ってなかった。
あたしは遠くに意識を飛ばす……
"ジジジジ"
……20人……
……30人……
いや、合流して70人以上か……
あたしのESPは付け狙う覇鬼の気配を感知する。
昨日まで割とおとなしかったのに、どうしてこんな急に……
アジトまで歩いて10分もかからない距離なのに、安全な道がほとんどない。
しかも完全に、覇鬼はあたしたちを狙ってる。
「……昔、オレの知り合いにも……いてな。さっきのおまえのように……」
「奏太っ!」
あたしは奏太を呼び止める。