SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし

「先程までとは訳が違うぞ。スピードもパワーも桁違いに増したコイツからお前はけして逃れられない……最後に何か言い残す事はあるか?」


「別に。 最後じゃないし」


「……ほお、いやに余裕だな。ならばおとなしく龍の餌食となるがいい! 死ねえエエッ!!」


“ ヴ オ゛オ゛オ゛オ————ンンッッ!!”


大口を開けた黒龍が猛スピードで迫ってきた。

空気までも焼き付けるような猛烈な熱波が怒涛のように押し寄せる……

——が、


————シュンッ!


「……っ!」


龍はたちまち消え去った。

暑さだけが残された大地……

目の前には包帯男が黒焦げになって倒れている。


「勝負はついた。 あたしの勝ちだ」


聞こえているはずもない包帯男にあたしは言う。

さっきあたしは、しるしの力で瞬時に包帯男と居場所を入れ替わった。

術者である包帯男が焼け死んだ事で自然に龍も消滅した……

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