雪に塩
「わー凄い!キャバクラなんて初めて来た。」


「なんでいんだよ…」


「僕が呼んだ♪」



炒市と邃巷、そして一緒にいたい邃巷によって誘われた見熊は、杠の言葉に甘え、キャバクラ林残(リンノ)にやって来た。



店の雰囲気は意外に和やかで、炒市達がいても浮きはしなかった。



「ソフトドリンクもあるから、注文あったら言ってね。ユーハちゃんの友達ならサービスするからさ。」


「ありがとうございます。」



店長の蹴茨竺牽捏(ケイバラ アツヒコ)は、チャラ男風の見た目通り軽くウインクして去っていった。



「あ、杠ちゃんだ。」



演奏が始まると会話がほとんど止み、みな杠の奏でる音色に耳を傾ける。



「なぁんだよ~しょんなしーみりちたやつじゃなくてよぉ~もっと盛り上がるやつ弾けよ~」


「………っ!」



クラシックを楽しむ静かな雰囲気を突如ぶち壊したのは、酔っぱらいだ。


しかも相当酔っていて、腕を掴まれ絡まれた杠は、椅子から落ちないように固まるしかない。



「お客様、今は演奏中ですのでお下がりください。」


「あ~?しょの演奏になぁ~文句があーるから、俺は言ってんだーぞー!」
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