心外だな-だって世界はこんなにも-
「おお、坊主。元気か?」
いつものように伏見さんが声をかけてくる。
「だから元気だったらこんなところにいないですよ。」
いつもの文句を返す。
「それより、坊主。今日は行かないのか?」
「いや、もう終わったんで。」
「ほお、そうかえ。そしたら、午後から暇だな? 一緒に行かんか?」
行く? 一体どこにだろうか……。
純粋に訊いてみた。そして、訊かなければ良かったと思った。
「実はな? ここの病院関係者用の出入り口の螺旋階段があるんだが、そこをよくお姉ちゃんたちが通るわけだ。下からこう目を細めると……見えるわけだ。どうだ? 男のロマンだろう?」
変態だ。伏見さんはどこまでも果てしなく変態だった。
「もちろん、行きませんよ? それに午後からは来客があるんです。」
正直にそう答えた。
「来客? それってひょっとして、これか? え? これか?」
小指を立てながらそう話す伏見さんに俺は「まあ、そんなところです。」と半分照れを入れて、答えた。
「ほお、そうかえ。頑張れよ、坊主!」
俺は素直に頷いた。頑張らなければならないことは本当だ。