ポプリ
やがて。
「……勘違い」
リィは少しだけ頬を染めて、そっと娘の手を離した。
「うん」
えへへ、と花龍は笑った。
「……ごめんね? 花龍は悪いことしていないのに、お説教しちゃって……」
「ううん、いいの。紅葉ともちゃんとお話出来るようにがんばるね」
「うん。でもいくらヴラド先生に贈るからって、クッキーに血は入れちゃ駄目……」
「そ、そうかな、駄目かな」
「衛生的によくない……」
「そっか、そうだよね、先生がお腹壊したら困るし……」
「うん。隠し味に入れるのは、愛情が一番だよ」
母の言葉に、花龍は目を輝かせた。
そうか、愛情か。
それなら痛くもないし、傷もつかないし、際限なくたっぷり入れてあげられる。
花龍は母に礼を言うと、ヴラド専用のガーリッククッキーを鼻歌交じりに作り始めた。
◇
血入りの手作りクッキーなんて、絶対に作ってはいけませんよ……。不潔極まりないです。それ以上に恐ろしいです……!
「……勘違い」
リィは少しだけ頬を染めて、そっと娘の手を離した。
「うん」
えへへ、と花龍は笑った。
「……ごめんね? 花龍は悪いことしていないのに、お説教しちゃって……」
「ううん、いいの。紅葉ともちゃんとお話出来るようにがんばるね」
「うん。でもいくらヴラド先生に贈るからって、クッキーに血は入れちゃ駄目……」
「そ、そうかな、駄目かな」
「衛生的によくない……」
「そっか、そうだよね、先生がお腹壊したら困るし……」
「うん。隠し味に入れるのは、愛情が一番だよ」
母の言葉に、花龍は目を輝かせた。
そうか、愛情か。
それなら痛くもないし、傷もつかないし、際限なくたっぷり入れてあげられる。
花龍は母に礼を言うと、ヴラド専用のガーリッククッキーを鼻歌交じりに作り始めた。
◇
血入りの手作りクッキーなんて、絶対に作ってはいけませんよ……。不潔極まりないです。それ以上に恐ろしいです……!