ポプリ
「でもね、麗龍くんには私がエージェントだってこと、秘密なのです」

「えええ?」

「だからティーダくんも麗龍くんには黙っててね?」

「え、なんで……」

「エージェントは秘密の工作員なのです。家族にすらその正体を気取られてはいけないのです。ティーダくんは身内だからいいですけどね」

「いや、でもだって、麗龍兄ちゃんのお父さんたちって……」

「二代目『番のエージェント』ですよ~。私の憧れの二人なんですよ~。そんな人たちの娘になれて、私しあわせです~」

「覇龍闘さんとリィさんが知ってるのに、麗龍兄ちゃんには秘密なの?」

「……麗龍くんも隠し事してるからいいんです~」

 ぷー、と頬を膨らませながら、紅茶を煎れてくれるユリア。

 そんな子供っぽさを見せつけられると、とても正確な狙撃を見せつけた凄腕のエージェントなどとは思えない。

「麗龍兄ちゃん……素直に話せばいいのに……」

 互いに秘密を持つ夫婦に、ティーダは苦笑しながら紅茶を頂くのだった。













 麗龍、テンジンジャーに憧れてヒーローになるも、ちょっと恥ずかしくて妻には秘密にしている。

 ユリア、そんな夫の秘密に気づいていて、話してくれないことに憤り、エージェントであることを秘密にしている。

 でもきっと、麗龍もユリアの正体については気づいていますね。

 いつか、エージェントを助けるテンジンライダー、って構図が出来上がると思います(笑)







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