雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~

「NAOYAー!」


黄色い声が上がる中、演奏が終わりステージ全体に照明が当たる。


「こんばんは、Fateです」


 キャーッという声と共に割れんばかりの拍手。NAOYAの生の声に、伊万里はうっとりする。

 もう生きていても、何の楽しみもない、何の意味もないと思っていた。そんな自分に、Fateの歌が生きる意味を与えてくれた。このライブに来るために、毎日頑張って来れた。次のライブのために、また頑張っていける。伊万里にとって、Fateの存在は生きていく支えになっていた。

 この時間が終わらなければいいのに……伊万里は半年振りのライブに泣きそうになりながら、ステージを見つめ続けた。
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