雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「もしかして、コンタクト落としちゃったとか? って、ベタだよな」


 伊万里はコクコクと頷く。すると男子高生は一緒になって床に目を凝らし始めた。



「誰かに踏まれてなきゃいいけど……ねっ?」


 初対面だと言うのに、随分フランクに話し掛けてくる。伊万里は戸惑いながらも、不思議に思った。なぜ一緒に探してくれるのだろう。何の得にもならないのに。


「あっ」


「え、あった? 見つかった?」


 床に落ちていたのではなく、コンタクトレンズは伊万里の服の袖に付いていた。それを指先に取って、慎重に右目に入れる。


「いやー、良かった良かった」


 立ち上がってから、伊万里はペコリと頭を下げた。
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