雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
 那子が制服に着替えて店に出ると、悠李は既に出勤していて、「おう」と軽くいつもの挨拶をする。那子も軽い会釈でいつもの様に返すと訊いた。


「九条くん、今日休み?」


「本当は休みなんだけど、ディナーに入るシフトに欠員が出て、さっき店長が夕方から入ってくれって電話してた」


「じゃあ、ディナーは、また三人で回すって事?」


「そゆこと。最近、俺等シフト入りまくりじゃね? お前大丈夫かよ?」


 いきなり訊かれて、意味がわからず、那子はきょとんとした。
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