雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
「あのさ……」


 足を止めて振り返った那子に、間髪入れず律樹は口を開いた。


「花火大会、一緒に行かないか?」


 那子は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。それでいて、どこか戸惑っているようにも、律樹には見えた。


「無理なら……」


 言いかけた律樹へと、首を横に振りながら那子が言った。


「ううん。行く」


「時間とか待ち合わせ場所、今ここで決める?」


「今宮がよければ、LINE交換しない? その方が何かと連絡しやすいし」


「そうだな」


 律樹と那子はお互いスマホを取り出すと、ふるふるでLINE登録をした。
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