雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
映画もリアルもロマンスには程遠かった
 夏の大イベントである花火大会が終わり、長い夏休みも残すところ、あと半分になっていた。休みが長い分、出された課題もそれなりに多い。自室の机の上、それをやる気なく広げながら、夏成実は頬杖をついて溜め息をこぼした。

 受験生に夏休みはないと言うけれど、今年の夏は特につまらなく感じる。一年や二年の夏休みにしていたバイトも今年はお預けで、夏期講習に通っていた。

 卒業後の進路は留学を希望している夏成実なのだが、父親は日本の大学に籍を置く事を条件にしていて、その事も夏成実をよりいっそう憂鬱にさせていた。

 得意科目の英語以外、夏成実はあまり成績が良くない。家庭教師を雇うと言い出した父親に、夏期講習に通う事で納得してもらったのだ。
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