雨虹~傘を持たない僕達は果てない空に雨上がりの虹を見た~
沖縄の海は綺麗な涙色だった
 週明け。エビ高の二年生を乗せた飛行機は、修学旅行先の沖縄を目指して離陸した。羽田空港から那覇空港まで、約二時間五十分ほどのフライトだ。

 その頃、エビ高一年一組の教室では、一時間目の英語の授業が自習になり、課題のプリントがクラス委員から配られた。監視役の教師がいないという事もあり、教室内はだんだんと雑談の声にざわめく。

 伊万里はプリントに名前を書き、課題を進めようとして、ふと新太の事を考えた。

――今頃は飛行機の中かな……?

≪お土産、楽しみにしてて≫

 新太から伊万里に届いた今朝のLINE。嬉しい反面、何故かちょっぴり寂しい気持ちになった。

――もう一年早く生まれていたら、一緒に修学旅行に行けたのにな……。

 無意識にそんな事を思って、ハッとした伊万里は、それを誤魔化す様に、プリントの問題を読み始めた。
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