君がうたう七つの子
ふと、彼女は空をまた見上げて僕に呟く。

そろそろだよ、と。

何がと聞かなくても、十分にわかった。

本当にもう終わりが近づいているのだと。

レイが、ここから消えてしまうのだと。

僕はそのことを今一度理解して、ここから逃げ出したくなる衝動にかられる。

その時を、別れの時を見てしまえば、嫌がおうにもそれを受け止めねばならない。

それが怖い。

来てほしくない。

見たくない。

いなくなって――――ほしくない。

でも、僕が何をしようとも、その事実は変わることはない。

ならば、僕の気持ちよりも優先すべきことがあるはずだ。

大切にしなきゃ―――大切にしたい人がいるはずだ。

僕は唾をのみこんで、彼女を見る。

悲しそうに空をみあげる、彼女を。

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