最悪なウェディング~鬼上司と恋の予感?~

するとお兄さんは、その絵本を手に取り
納得したように笑う。
「懐かしいな。
お前……昔からこの絵本好きだったもんな」

「うん。お姫様は、無理でも結婚式には、
こんな風にお花畑に囲まれて挙げられたら
いいなって思っていたんだよね」
思い出すように微笑む恵梨香。

そう言えば……高校の頃
お姫様になるのに憧れていたって言ってたっけ。

小柄で美少女な恵梨香は、
お姫様の格好をしたら似合うだろうなぁ~とあの時
そう思っていた事を思い出した。

あの頃は、良かったなぁ……。

「おい、聞いてるのか?」

「あ、えっ?は、はい。聞いてます」
お兄さんの言葉にハッとする。
いけない……まったく聞いてなかったわ。

ハァッ……と溜め息を吐かれる。
「聞いてねぇーだろ。まったく。
それで、どうなんだ?そんな風に出来そうか?」
呆れたように言われる。

ムカッ……

「大丈夫です。
披露宴などで花をお花畑のように
たくさんセットをして
それらしく見せることなら出来ます!!」
ムカついて言い返した。

「そうか。恵梨香。
大丈夫みたいだから楽しみにしていろ」

「本当!?うわぁ~楽しみ。
どんな風になるか楽しみにしてるね。愛美」
嬉しそうに笑顔で言う恵梨香。

< 24 / 87 >

この作品をシェア

pagetop