毛づくろう猫の道しるべ
 その中でも積極的な希莉は顔もかわいいだけあって、とても目を引き、それとは対照的に柚実は穏やかだが、物静かでも物怖じせずに却ってクール的な存在感があった。

 この二人がクラスの中でも一目置かれるにはそんなに時間は掛からなかった。

 私といえば、この二人の側でどういう役柄なのだろうか。

 一緒に居るのは嬉しいのに、どこか不安になるのはなぜなんだろうか。

 まだ新学期始まって間もないからなんとも言えないけど、私は気が抜けないものを感じてしまう。

 希莉と柚実が笑っているその側で、私は二人を知らずとじっと見ていた。

「千咲都どうしたの?」

 希莉が不意に声を掛けてきて、私ははっとした。

「べ、別に。なんだか二人は絵になるなって思って」

「やだ、千咲都。私達の絵でも描いてくれるの?」

 希莉はクククと面白半分に笑っていた。

 柚実も澄ましてはいるけど、口元は上向きに合わせて笑っていた。

「わ、私、絵は描けないけど、それだけ二人はかわいいなって思って」

「ん、もう。千咲都ったら。そんなにおだてても何もでないよ」

 希莉に軽く頭を叩かれた。

 さりげない希莉のリアクションは心地よかった。

 希莉に相手されるなんてと思うだけで、自分は希莉にとって特別な存在であると思ってしまう。

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