毛づくろう猫の道しるべ
第二章 うっかり迷い込んだ猫道

 朝から降り続けた雨は、午後から弱まりを見せ止みそうになっている。

 天気ですら落ち着いてきているというのに、私の問題ときたら……。

 自然の摂理なのに、弱まっていく雨が憎たらしい。

 結局希莉とは気まずいまま、碌に話もせずに放課後を迎えた。

 もう一度希莉の元へいって話し合いをした方がいいだろうか。

 このまま放っておけば、明日の朝がもっと辛くなる。

 私が迷っている時、帰り支度をしている希莉の元へ柚実が近づいていった。

 時折私の様子を伺ってちらちら見ていたが、私は怖くて目をそらし、慌しく帰り支度をするフリをしてしまう。

 素直になれない馬鹿げた行動なんて、相手はお見通しなのに、普通を装う自分が哀れでならなかった。

 柚実と話し込んでいるときも、希利の機嫌は悪そうだった。

 きっと私の事を話しているに違いない。

 見かねた柚実が説得してくれている期待を持ち、私は席についたまま様子を伺っていた。

 だけど、希莉は不機嫌な態度を隠すことなく、柚実すら放っておいてプイと一人で先に帰ってしまった。

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