毛づくろう猫の道しるべ

 二時間目の終わり、チャイムが鳴って授業が終わったその直後、筆箱にシャーペンをしまいながら、私はソワソワして落ち着かない。

 チラリと希莉と柚実の様子を見れば、二人は静かに席についていた。

 希莉の少し屈んだ背中と微かに動く右肩。

 きっとスマホを弄っているのだろう。

 柚実は近くに居た人と話しだした。

 ノートを手に持ってるところをみると、宿題の事を聞かれたのだろう。

 みんなそれぞれの事をしている。

 とても落ち着いていた。

 でも私はそれが悲しかった。

 その後の休み時間も同じようにバラバラの行動が続く。

 柚実は全く関係ないのに、中立の立場を保つと宣言した以上、希莉と二人っきりになることはしなかった。

 唯一、お弁当を食べるときだけ、他の人も混じるので一緒に集まって食べたが、気まずく私と顔を合わせる希莉に私はぎこちなく笑顔を向けた。

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