さよならはまたあとで
文化祭

文化祭まではあっという間だった。

準備期間中はとても忙しかったが、その分充実していた。

私は七瀬から、渚と一緒に浴衣の着付けを教わった。

それから、渚のダンスを七瀬と二人で見に行く約束をした。

そのあとにすぐ、私のファッションショーがある。

そのあとから、律太と葛城との三人で、校内を回る約束もしていたが、葛城は急用で来られなくなったと、朝、連絡が来ていた。


縁日仕様に飾り付けられた私たちの教室で円陣を組んだ。

色とりどりの浴衣が一斉に散らばって、文化祭は始まった。

一般公開の開始を告げるアナウンスが校舎中に響き渡る。


「じゃあ、あとでね」


律太はそう私に微笑んで、自分の持ち場へと去っていった。

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