さよならはまたあとで
夏の始まり

「じゃあ、有意義な夏休みにしろよー!」


先生の言葉で、楽しくも早かった1学期が終わった。

蝉の声も太陽も、文化祭の頃に比べてずいぶん夏らしくなった。


「優恵!日にち決まったら連絡するね!」


私の肩を叩きながら通り過ぎて行ったのは渚と七瀬。
一緒にショッピングに行く約束をしたのだ。


「うん!分かった」


私はひらひらと二人に手を振る。


「おーい!優恵!一緒に帰ろー」


今度は背中に声がかかる。

振り返ると、嬉しくて、私は大きく頷く。
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