さよならはまたあとで

『送ってみたよぉ〜。』


たった一言と、私の間抜けな顔の写真。


『いつ撮ったの(怒)』


私も彼と同じペースでメッセージを送る。


『えへへ、可愛いから取ろうと思ったのにさぁ、優恵動くからぁ』


『盗撮の罪で逮捕します』


『ごめんごめ〜ん』


ふっと心が軽くなる。
彼の猫のような雰囲気に、自然と癒される私がいる。

そういえば、彼の余命は知らない。
きっと文化祭の頃にはすでにあのタイマーは消えつつあったのだろう。
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