さよならはまたあとで


その後、律太はお母さん側に引き取られた。
お父さん側とは完全に縁を切ったらしく、彼を纏っていた翳りはすっかり消えて無くなった。


あの日から、私たちは付き合い始めた。
今日は、付き合って半年の記念日だ。


「生きててよかったでしょ?」


五月の爽やかな風に包まれながらの帰り道。
私は冗談ぽく律太に聞く。
柔らかい風に髪を遊ばせながら彼は頷いた。


「もちろん。死ななくてよかった」


彼も鼻にしわを寄せてクシャッと笑う。
最後に見た燈太に本当にそっくりだ。

あ、思い出しちゃった。
でも、たまにはいいよね。
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