さよならはまたあとで
作戦開始
家に帰ると、「遅かったわね」とお母さんがリビングから玄関に顔を出した。

私はクレープを食べに行っていたことをそれとなく伝えた。


「優恵、今日何かあった?」


お母さんはフライ返しを片手に私についてくる。

私はソファにちょこんと腰掛ける。


「なんだか、すごく幸せそうな顔してる」


お母さんは私の隣に座るとこちらを覗き込んだ。

決して幸せという気持ちだけではないのだけれど…


「まぁ……友達が…できた」


私がとりあえず幸せだったことを言うと、お母さんは私より嬉しそうに目を輝かして笑った。


「本当に!?ねぇねぇ!その子、どんな子なの?」
< 49 / 256 >

この作品をシェア

pagetop