キミと再会
何も言葉に出来ない私に

申し訳なさそうに、ふにゃっと笑い



「同情でも、いいから…ね?」





私は、加賀見さんの目を見た


嘘じゃない



加賀見さんは、永くないんだ…




「あなたを好きじゃない私といて
あなたが幸せだと思えない
同情はしない
ただ… 話し相手くらいなら」



「本当!?」




コクンと頷くと


すぐにスマホを出してきた



「私、会社の人にも番号教えてないのよ」



「マジ!?」




子供みたいに無邪気にはしゃいで
喜んでくれた


ちょっと晴真に似てるかも……




加賀見さんは、ずっとひとりだった

余命を知ってから

今までしなかった仕事を始め

友達をたくさん作った

コンテストに出品したり

恋人をつくろうとした




私は、ひとりだったから

死ぬときもひとりでいいと思った



私とは、違う



前向きな加賀見さんがキラキラして見えた



「俺って、幸せ者~!!!」



口癖のようにいつも聞かされた


毎日、朝昼晩と電話で話した





恋愛感情は、ないけど

楽しかった



もっと、たくさん私とは違う考えを
聞きたかった








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