キミと再会

キミがいない

【那央】




舞美が倒れて、亡くなるまで



あっという間だった






晴真に誘われて、吉村とお見舞いに行き

イタリアでの闘病生活の事を知った



大祐夫婦にも知らせたけど

間に合わなかった



「ごめん…舞美!!ごめん…」



寺田は、舞美を突き放したこと
ずっと後悔して

同窓会で会えることを楽しみにしてた




「那央 コレ」


晴真が差し出してきた

舞美にあげた
ぬいぐるみは、あげた時につけてた

小さく折りたたんだ紙をまだ持っていた


〝舞美大好き〟
〝那央大好き〟


舞美からの大好きの文字に

膝が折れた

涙が止まらなかった







舞美が亡くなって


1年が過ぎた頃


麗と結婚した俺に、子供が生まれた






圭太も、晴真も、会社を辞め独立した





地元の同窓会


いつも不参加だったのに
いないと思うと、さみしい


高校時代なんて
舞美との思い出は、何もない


なんで…



街で金髪の子をみると

ジロジロ見てしまう


オフィスでにこにこ座る
ぬいぐるみを見ると

泣きそうになる



散々、離れ離れだったのに


今頃、さみしくなった




時々、衣装室の舞美の席に座る





ここから見る青空ドレスは、本当に綺麗


「やぁ!久しぶりだね!
探したんだぞ?」


「正人さん!?」


「那央に見せたくて」




正人さんの結婚式から、日本に戻る
飛行機の中で舞美が
正人さんに書いた手紙を見せて貰った



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