キミと再会
待ち合わせ場所に着くと

すでに大祐に帰れと、文句言ってた
そして、俺の姿を見ると
小さなため息



「ちゃんと説明してよ!」

寺田は、ずっと連絡が取れなかったことを
怒っていた



「私の母は、私が生まれた頃から
ほとんど病院にいたの
母が亡くなるまで、大祐の3軒隣だった
父が、働かなくなって、安いアパートに
引っ越したわ
酒に酔って、暴力を振るうようになった
私…医者になりたかったの
だけど、母の治療費と私達の生活費
花山先生が払ってくれてて
高校の時、父も亡くなって
私…花山先生の決めた将来に進むしか
なかった」


「ずっと、いいなりなの?
そんなの、舞美らしくないよ!」


「これが私だよ
連絡を絶てと、言われれば、そうする
好きでもない人の隣で、にこにこしてる
花山先生の言うとおりに生きていく
これが私だよ!」


「だから、ずっと連絡くれないの?
私は、舞美の友達だと思ってたのに!」



寺田が、泣きながら走り去る



「舞美…
思ってないこと口にしてまで
詩步を遠ざけて何になる?」


大祐が、舞美を睨む



「詩步のこと、幸せにしてね!」

「言われなくても、するし!!」



大祐も走り去る


ポツンと2人になる






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