それを愛だというのなら
それから三日、私は高校に入ってから最も真面目に授業を受けた。
小指の横の部分が真っ黒くなるのも、水泳の後の授業を眠らずに受けたのも初めてだった。
看護師さんは体力がないと無理だろうけど、薬剤師とかレントゲン技師とか……それなりに大変そうだけど、まだ体力を使わなさそうな医療専門職につけたらいいな。
まだ進学のその先はぼんやりとしていたけど、少し目標ができただけでも、前の自分と比べたら進歩したと言えるだろう。
そうして勉強に熱中して、他のことは忘れようとしていた。
強い日差しがますます強くなった蒸し暑い日、ついに終業式の日がやってきた。
体育館で校長先生の退屈な話を聞いているとき、ふと理系クラスの方へ目をやると、前方に茶髪の頭が見えた。
……後ろからチラ見するくらいは許されるよね。
だって、目が勝手にあなたを探しちゃうんだ。どうしようもないんだもん。
退屈な式と担任の話が終わった教室は、独特の騒がしさに包まれる。