王様の命令は?



「まだ学生だし、好きだとか愛してるとかピンと来ねぇなって思ってた俺も……どうしようもなく好きな人ができたんですよ。

鳴海柚奈、お前が好きだ」




手を繋いで隣に並んでいたけど、その手を離される。



体ごと私に向いた匠はマイクをおろすと腕を広げた。




飛び込んでこいよ?


そんな、挑発するような表情を向けられる。



ねぇ……

いいお返事期待しててもいいのかな、王様?



周りのガヤガヤなんてもう全然耳に入ってこなくて、

迷いなしに私は思い切り抱きついた。



不覚にも泣きそうになって、潤んだ瞳を隠すようにぐりぐりと顔を埋める。


こみ上げてくるもので胸がいっぱいになる…!





「柚奈」


「…うん?」




ぎゅっとシャツを掴むと、二の腕に匠の指が触れた。



< 342 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop