王様の命令は?
「まだ学生だし、好きだとか愛してるとかピンと来ねぇなって思ってた俺も……どうしようもなく好きな人ができたんですよ。
鳴海柚奈、お前が好きだ」
手を繋いで隣に並んでいたけど、その手を離される。
体ごと私に向いた匠はマイクをおろすと腕を広げた。
飛び込んでこいよ?
そんな、挑発するような表情を向けられる。
ねぇ……
いいお返事期待しててもいいのかな、王様?
周りのガヤガヤなんてもう全然耳に入ってこなくて、
迷いなしに私は思い切り抱きついた。
不覚にも泣きそうになって、潤んだ瞳を隠すようにぐりぐりと顔を埋める。
こみ上げてくるもので胸がいっぱいになる…!
「柚奈」
「…うん?」
ぎゅっとシャツを掴むと、二の腕に匠の指が触れた。