彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)


「裏をかいたんですね・・・?」

「そういうことだ。あとは、キャンプ場であるこの場所から帰ればいいだけだ。」



ニヤリと笑うと、キャンピングカーの並ぶ道を通過していく獅子島さん。



「あの~・・・・」



移動する様子を見ながら、思ったことを口にする。



「飛ぶつもりがないのでしたら、僕には『飛ぶ』って、嘘つかなくてもよかったんじゃないですか・・・?」



獅子島さんの言うことを信じて、大騒ぎしてしまった私。

これに相手は、目を細めながら微笑む。




「敵はこちらの様子で判断もする。『敵を欺(あざむ)く前に、まず味方から』だろう?」


〔☆良い子のためのワンポイント解説☆〕
敵を欺(あざむ)く前に、まず味方から:味方にも嘘をついておけば、そのことが敵にバレても、こちらの嘘が敵にバレても困らないということだよん♪



「お前はまだまだ、顔に気持ちが出やすい。龍星軍の頭なら、ポーカーフェイスになれ。」

「う・・・それは・・・そうですけど・・・。」



否定できないので、返事に困る。

そんな私を横目に、見えてきた公道へと強引に入る獅子島さん。

コンクリートの地面に戻ったところで彼は言った。





「凛道、敵を『欺く(あざむく)』ことを忘れるな。」

「獅子島さん。」

「正直なだけじゃ、世の中は生き残れん。」

「そう・・・・ですね。」

「今日のことが、良い参考になっただろう?」

「はい・・・良い勉強になりました。」



おっしゃる通り、その通りですよ、獅子島さん。

そうなんですけど、獅子島さん・・・・



(ジュースとケチャップまみれで言われても、説得力ないです・・・。)



〔★威厳(いげん)半減だ★〕




「・・・・どんな姿であっても、獅子島さんは怖いけどね・・・」

「凛道、何か言ったか?」

「いいえ、なにも!あ、瑞希お兄ちゃんからの着信だぁ!」




聞えなかったひとり言を隠したところで、好きな人からの電波が届く。

それにウキウキしながら出れば、私を心配する瑞希お兄ちゃんの声が耳に届く。

これに獅子島さんが、目だけで見ていた。

笑ってるような気がして、少しだけ獅子島さんへの怖さがなくなったのだった。



〔★怖いことには変わりない★〕








~天使!?悪魔!?初代メンバー最強武勇伝!!~完~















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