彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)






〈うはははは!なにやら、あまぁ~い♪会話が聞こえるでぇー!?〉

「う!?その声は~!?」





瑞希お兄ちゃんに気を取られ、危うく忘れかけていた。





〈うはははは!わしのおかげで、大事にされとるみたいやなぁ~凛~!?〉

「ヤマト!?」





この美味しい環境を作ってくれた本人。





〈愛されてるってええことやん、このブラコン!わしのおかげで、幸せですかぁー!?うはははは!〉

「はい、ヤマトのおかげで、本当に幸せです~ありが・・・って、違うから!ありがとうだけど、違いますよ!?」





お礼を言いかけて、修正をかける。





「ヤマト、なんでそんな部屋借りちゃったんですか!?」

〈うはははは!話、ふり出しに戻しとらんかーい??〉

「戻しますとも!可能ならば、君がその部屋を契約する前にです!」





よりによって、死人が出た部屋なんか借りて!!





「ヤマトはもっと注意力を持ってください!今度から、死者が出てない部屋を選ぶように確認をしっかり~」

「無駄だって、凛たん。」

「烈司さん!?」





これに、数珠を手にした霊能者が言った。





「壊死物件のからくり、おしえてあげよーか?」

「からくり?」

「仮に、Aさんて人が、マンションの1室で刺殺されたとする。」

「病死にして頂けませんか!?」

「うんうん、病死ね?で、Aさんが死んだ後に、Bさんが入居したとする。その後、Aさんの幽霊がでかどうかは知らねぇが、Bさんが夜逃げ。」

「あきらかにAさんに関係ある言い方ですよ!?」

「それで~Bさんの後に入居したCさんは、そこでAさんが死んだとは知らない。てか、壊死物件だってことも知らない。なぜでしょう?」

「え!?不動産屋さんが黙ってたんですか!?」

「ざーんねん!正解は、人が死んだ部屋でもーその後に普通に人が入って暮らせば、壊死物件にはならない。言う義務もなくなる、でしたぁ~」

「詐欺じゃないですか!?」

「それが社会だよん♪」



〔★残念ながら本当の話だ★〕



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