彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「ここは・・・」
車が止まったのは、一件の家の前。
表に出ている表札を見てギョッとする。
「え・・・『円城寺』・・・!?」
「そう、えんちゃんのお家よー」
ニコニコしながら言うと、後部座席へと身を乗り出すオネェさん。
「ど、どうして、ここに私を!?」
そんな相手に聞き返せば―――
「はい、ドーゾ♪」
振り返ったオネェさんが私に包みを渡してきた。
「これは涼子ちゃんが円城寺君に助けてもらったお礼の品よ。ちゃんと渡してね。」
「え!?これって――――!?」
「意味は、分かるわよね?」
渡された物を見てハッとする。
可愛くラッピングされたお詫びの品にほどこされた『細工』。
「それだと、合法でしょう?」
「オネェさん・・・・」
「モニカでいいわよ。あたしも眼鏡ちゃんってあだ名で呼ぶから。」
(そんなあだ名、ないですけど・・・?)
そう言う前に、相手が車から降りる。
そして、私がいる助手席の方へと回ってドアを開ける。
「しっかりね、眼鏡ちゃん。」
「はい・・・」
満面の笑みのオネェさん改め、モニカさんに逆らえず、包みを抱えて車から降りた。
降りる時に、サッと手を貸してくれたので、つくづく女性にしておくには惜しいと思う。
「それじゃ、眼鏡ちゃんを運んできたのが、あたしってことは内緒でよろしくー♪」
「・・・わかりました。ここまで送って送って頂き、ありがとうございました。」
「うふふふ、ホント、良い子!じゃあね~♪」
窓のあいた運転席から、チュッと投げキッスをするモニカさん。
そして、ゆっくりと車は走り去る。
「すごいな・・・・」
凛君の知り合いって、みんな普通の人と違う。
いい意味で、すごいと思えてしまう。
「それにしても・・・」
残された家の前で考える。
「なんて、声をかけよう・・・・?」
同じクラスで爆裂弾の頭・『悪鬼』円城寺大河と話したことなんて全くない。
私みたいな女子は絶対に離せない・・・近寄るのも怖い。
凛君の頼みじゃなかったら、高千穂さんにも声をかけられなかったと思う。
まともに話したのだって、今日が初めてよ。