彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)





「ここは・・・」





車が止まったのは、一件の家の前。

表に出ている表札を見てギョッとする。





「え・・・『円城寺』・・・!?」

「そう、えんちゃんのお家よー」





ニコニコしながら言うと、後部座席へと身を乗り出すオネェさん。





「ど、どうして、ここに私を!?」





そんな相手に聞き返せば―――





「はい、ドーゾ♪」





振り返ったオネェさんが私に包みを渡してきた。





「これは涼子ちゃんが円城寺君に助けてもらったお礼の品よ。ちゃんと渡してね。」

「え!?これって――――!?」

「意味は、分かるわよね?」





渡された物を見てハッとする。

可愛くラッピングされたお詫びの品にほどこされた『細工』。





「それだと、合法でしょう?」

「オネェさん・・・・」

「モニカでいいわよ。あたしも眼鏡ちゃんってあだ名で呼ぶから。」



(そんなあだ名、ないですけど・・・?)





そう言う前に、相手が車から降りる。

そして、私がいる助手席の方へと回ってドアを開ける。





「しっかりね、眼鏡ちゃん。」

「はい・・・」





満面の笑みのオネェさん改め、モニカさんに逆らえず、包みを抱えて車から降りた。

降りる時に、サッと手を貸してくれたので、つくづく女性にしておくには惜しいと思う。





「それじゃ、眼鏡ちゃんを運んできたのが、あたしってことは内緒でよろしくー♪」

「・・・わかりました。ここまで送って送って頂き、ありがとうございました。」

「うふふふ、ホント、良い子!じゃあね~♪」





窓のあいた運転席から、チュッと投げキッスをするモニカさん。

そして、ゆっくりと車は走り去る。





「すごいな・・・・」





凛君の知り合いって、みんな普通の人と違う。

いい意味で、すごいと思えてしまう。





「それにしても・・・」





残された家の前で考える。





「なんて、声をかけよう・・・・?」





同じクラスで爆裂弾の頭・『悪鬼』円城寺大河と話したことなんて全くない。

私みたいな女子は絶対に離せない・・・近寄るのも怖い。

凛君の頼みじゃなかったら、高千穂さんにも声をかけられなかったと思う。

まともに話したのだって、今日が初めてよ。





< 636 / 715 >

この作品をシェア

pagetop