彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「うはははは!よかったなぁ~涼子ちゃん!」

「あなたは・・・五十嵐君。」

「ヤマトでええよ!いや~よかった、よかった!これで、凛に会えるなぁ~!?」

「え?あ・・・・」


凛君に会える?


ヨカッタ?



(違う。)

「違います!」





うっかり私も安心したけど、これは違う。





「まだ、良かったじゃないです!?」

「うは??」


こっちを見ながら言う運転手に私は言った。





「凛君達の無事を確認してから言う言葉です!」





そう言った時、少しだけ音が外れた。

ぶれる声。

今日は大声を出し過ぎたと、恥ずかしい気持ちでうつむけばー





「ぷっ!あはははは!それもそうだなぁ~」

「小林さんの言う通りだ。」

「うーはっはっはっ!こりゃあ、一本取られたわ~!」

「え・・・?」





気持ち良いぐらい笑い飛ばされる。

陽気に笑いあう龍星軍のみなさんに、ホッとする。





「オラ、シャベルの後にしろ!飛ばすぞ!」

「よし来た!」

「へへ、負けられねぇーな!」

「ほな、飛ばすさかい、しっかり捕まっててや~?」

「は、はい!」





その言葉通り、加速する。

強い風に気持ち良いと思う。

これが凛君の背中だったら、どんなにいいか・・・





(凛君・・・大丈夫かな・・・・?)





チクタクと進む腕時計。

いつもなら、早く進んでと思うけど、今日はゆっくりでいてほしい。





ギュアアアアーン!!


「っ・・・!?」




カーブを滑らかに曲がった時、ミラーに自分の姿が映る。

それでやっと、ノーヘルだと気づいたけどそれどころじゃない。





(神様お願いします!どうか、凛君が無事でいますように・・・・!)






その思いで、凛君もしがみ付いたであろう体に腕を回した。






~緊急SOS!危険は忘れたころにやってくる!!~




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