お金か愛か~16歳男子の決断~
「俺…父さんや妹たちに何不自由なく生活してもらいたい。苦労すんのは俺だけで十分や…。」


「でも!惟智だって幸せにならなあかん!自分の幸せを犠牲にすんな…!…な?」


小さな声でも都希の必死さが伝わってきた。


「智柚はさ…玉の輿にのるって言ってるやろ?」


「…あぁ。」


「俺、智柚にはお金とか関係なしに幸せになってもらいたい…。俺は…都希に智柚を幸せにしてもらいたい…。」


俺は都希の目を見て言った。


都希の顔は…赤くなった。



「お…俺!?」


「うん。」


都希なら智柚を幸せにできる…絶対に…。


「俺…智柚を幸せにしたい…したいけど…無理や…。」


「都希…?」


都希がいきなり弱気になった。


どうしたんや…。


「智柚とはいつも顔を合わせば口喧嘩ばっかり。智柚は俺のことなんて恋愛対象として全く見てへん…。」


何も言えへんかった…。


智柚はなんやかんや言って都希をよく想ってる…俺はそう思うけど…言えなかった…。


「惟智…もう一度言う。自分の幸せ考えなあかん!まだ…高1やねんからな?」


都希…ごめん…。




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