デキ愛レッスン!?
確かに、18歳の彼女から見れば、8歳年上の彼は大人だ。
ちょっと尊大なふるまいから言葉遣いまで、全てが夕雨子には大人に見える。
それに、宗像だって稽古で汗を流したはずなのに、他の男みたいな汗臭さを全然感じない。存在そのものに爽やかな色気を感じる、大人の男・・・。
(やっぱりこいつは、私のことをチビなガキとしか見てないのかな)
これからその男に告白しようとしている夕雨子は、怖気づいてしまったが、「今日おまえ稽古の日じゃないだろ。俺に用か」と宗像に聞かれて、覚悟を決めたように凛々しい彼の顔をじっと見た。
ええい!なるようになれ!
夕雨子は、女学院の白い紋章が真ん中に入った、濃紺のキャンパス地バッグに右手を無造作に突っ込んだ。
ガサガサと数回手をかき回して、ようやく箱を発見する。それをミトンをはめたままの手でしかと掴むと、彼の眼前にサッと突き出した。

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