大切な人へ

私の家に着いて食事を作る
私は遅いランチとケーキで
お腹いっぱいで少しだけ


『今日はありがとうございました
ほんと楽しかったし嬉しかったです!』

並んでコーヒーを飲むのは
もう食後のお決まりになってる

「よかったです」

そう言って頭を撫でてくれると
先生が近くてドキドキする…



優しい表情の彼に見とれるように
ぶつかった視線を外せずにいると


「あのさ…
何が欲しい?って聞いたとき
本当は何て言おうとした?」

『え…』

急な質問に動揺して

思わずまたそこに
視線がいきそうで下をむく




「前も同じとこ見てたよ」

やばい…心臓がうるさい

先生の声が囁くような
少し甘くなってるような気がする



「言ってみて…」



言ったらくれるの…?

一番初めに浮かんだ

欲しかったもの__





『キス…してほしい』




顔が…全身が… 熱い…

恥ずかしい…







「こっち向いて?」




_______??

ふわっと香る先生の匂い

唇に感じる少しだけの感触



ゆっくり先生の顔が離れていった…



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