大切な人へ

「美味しい!すっごい美味しい!」

子供みたいに嬉しそうにニコニコして
食べてくれるのを見てると
嫌な事なんて忘れられそうな気がしてくる

それにちょっとお腹いっぱいになるかも


「はい!あーん」

お箸で口の前に持って来てくれるから
パクッと食べたけど...結構恥ずかしい

私もお返しにあーん

大きな口でパクッと食べた


年上だけど可愛い人だな




洗い物も手伝ってくれて
コーヒーを入れるのも一緒に

ずっとついてくるのも可愛い




家事が終わって髪を下ろすと
先生は私の髪をなでて

「いい匂い...美優の髪好きだな
綺麗だし いつもいい匂いがする」

『そう...かな?』

伏し目がちに髪で少し遊びながら
優しい顔をしてる...


私が見ていることに気付いて
触れるキスをしてくれた

チュッ...

唇が離れるのが寂しくて
目で彼の唇を追いかけてしまう

その唇が少し微笑んで開いてく



「美優...大好きだよ」





ベットの上で昨日と同じ体制になって
抱きしめてくれる

彼の温かい体温がほっとさせてくれる



でも...


あれ...?



ぎゅっとしたまま動かない彼に聞いた


『...しないの?』





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