大切な人へ

次の日
俺は準備のために車を走らせた

店に入るとカップルが多い...
装飾もXmas一色で自分が浮いてる気がする


「プレゼントをお探しですか?」

化粧の濃い綺麗な女性スタッフに聞かれる


「____が見たいんですが...
もうすぐ妹の誕生日なんです」

自分が指定したブランドが若い女の子向けで
聞かれてもいない言い訳をした


つけたところをイメージしたくて
その女性に試着をお願いした

「これにします」

使ってくれると嬉しいな
ラッピングをしてもらう時間に顔がほころぶ



仕上がったものはとても豪華で
大きなリボンやかざりに少し驚いた

「Xmasですしサービスです
喜んで頂けるといいですね」

自然と笑顔でお礼を言うと

「優しいお兄さんで妹さんが羨ましいです」

少し頬を赤らめた女性に一礼をして店を出る


レストランの予約は前からしてあったし
あとは一番悩んだ場所の予約




彼女のケガは確実によくなってきている

小さなアザも傷も治ってきていて
お腹のアザもだいぶ薄くなってる

最後までしない言い訳がなくなる

もし彼女に誘われたら...

抑えられるかな...断れるかな...

そしたら彼女はどう思うかな...


マンションから見える彼女のアパート
玄関のドアと少しの明かり

もう2日後はXmasなのに
答えもでないし
迷いは消えない





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