大切な人へ

『...いつから起きてたの?』

「美優がご飯作ってる時」

『仕事はお休み?』

「休みだよ」


はっきり話してるのが起きてた証拠だ
彼はずっとにこにこして頭を撫でてた




「『いただきます!』」

コーヒーのいい香りが部屋を包み
また2人で手を合わせる


『どうして寝たふりなんかしたの?』

「キスしてくれるかなーって思って」

『ひっかかったわけですね』

2人で笑って食事できるのも幸せ



もりもり食べる私を見て
エッチしてお腹空いたの?って聞くからうんって答えた


うそだって言ってお箸をとめた

「Xmasの後...ちゃんと食べてた?」




どうしてばれるんだろ...

『実は次の日から
風邪ひいててずっと寝てたんです』

「え!?もう大丈夫なの?熱は?
っていうか昨日の夜 体きつかったんじゃ__」

すごい勢いで心配されてるし



『もう平気だよ!元気そうでしょ?
晄人さんが来てくれた時には忘れてたくらい』

でもこの後薬は飲んでって言われました


晄人さんにもうつしてないか心配だから
うがいしておいてねって言ったら

俺は大丈夫って...でも私も心配だし!



心配し合いで話が進まなかった

私たちってやっぱり似てるよね 笑

いつもこうなる



今日はゆっくりしてなよって言ってくれたけど
井川くんと約束があるだよね

その名前を出すと一瞬彼の動きがとまった


『制服受け取りに行くだけですよ 笑』

この顔はやきもちの顔だよね?


「...何がおかしいの?」

『晄人さんの気持ちが嬉しいだけです』


緩みっぱなしの私を見て

晄人さんも笑ってた






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