大切な人へ

『はい!今送ったの私です』

ウキウキしてスマホを見つめる


『…晄人(あきと)って書くんですね』

「うん 名前知らなかったでしょ?」



知ってるよ。本当は漢字も知ってた。

名前呼んでみたかっただけだよ




『私のも知らないでしょ?』




「…美優」




視線が交わったまま呼ばれた私の名前


ドクンっと体の中から聞こえて

息をするのも忘れてしまっていた…




スッと彼がスマホに視線を移し解放される



『知ってるんですね…びっくり』


今さら普通を装い口を動かす



「美しく 優しい子…かぁ。綺麗な名前だな」

そぅ言って画面を私に見せる



ー 新しいお友達 美優 ー




なんだ…それか 笑




『ハードル高いですよね』

視線を下げたまま ははっと苦笑




「似合ってるんじゃない?」



_______もう 顔上げられません…






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