大切な人へ


はっきり言って 私は科学が嫌いだった
というか苦手だった

でも今は この科学室にくるだけで
テンションがあがってしまう


先生と2人きりになれる場所だから__



『今日もお願いします!』

「はい!お願いします」


向かいあってこの挨拶がもうお決まりで

大好きなこの時間がもっとゆっくり進めばいいのに...なんて





持ってきたノートを指先して2人で覗く


ふわっと香るいい匂い

長めのサラサラな前髪

薄い唇



「そこはね、この__ 」

優しい声は少し低くて心地いい



緊張がまじったドキドキする感覚は

回数を重ねても慣れるどころか

どんどん増していってる気がする


好きだなぁ...



集中出来ず 聞き流してしまいそう__




でもちゃんとしなくちゃ!

時間を作ってくれてるんだから!



気をとりなおして突っ込んだ質問をして
解決していく


先生はいつも問題集を持ってきてくれていて
質問したものの関連問題を出してくれる

そんな真面目で優しい所も


好き…





「正解!」

喜んでくれる様なその声が嬉しくて
顔をあげる


「よくできました!」

ポンっと撫でられ優しい笑顔を向けられた


『__っ!?』



こうやって教えてもらうのは
もう何度目かになるけど

こんな事は初めてで…


私は固まってしまった




「あっ…ごめんっ 」

そう言って少し気まずそうに手を引いてしまう


(あっ…嫌がってる様に見えた!?)

「あ…アリガトゴザイマス 」

とっさに出た言葉はカタコトで恥ずかしい…


少し沈黙が流れてしまった


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