大切な人へ

「…き_______」 ドーンッ‼

先生の声に大きく被せるように
私の後ろから大きく響く花火の音


今…なんて言ったの?


もう動いてない彼の口もとを見て
ふっと笑う先生に、私も笑った



次々と上がる花火の音に言葉を飲み込んで
大人しく先生の隣に座った…




目の前に広がる色とりどりの花火

去年はバイトで見れなかったんだよね



遮るものもなくて本当に綺麗で…
少し考えてしまったりする


まるで 私たちの為に上がってるみたい

…なんて



こんな綺麗な花火を先生と一緒に見れて
私は完全に幸せに酔っていた




一気に上がる花火が少し落ち着いた時


『すごく綺麗…感動しちゃう』

素直な感想が口からこぼれた


「…よかった」

私の大好きな笑顔



花火の音が私の身体にドンドンと響いていた




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