大切な人へ

__パタン

「あのさ…」


後から入ってきた先生がドアの前で立ち止まり
さっきまでの笑顔が消えてドキッとする


「男を簡単に家に入れちゃダメだよ?」


真剣なトーンに固まってしまった…




「俺みたいなのばっかりじゃないからね?
1人暮らしだし気をつけろよ~」

またぱっと笑顔に変わって
おじゃまします と靴を脱ぎ
私を追い越して入っていってしまう



__びっくりした


でも今のは先生としての忠告だよね
簡単に部屋にいれちゃダメだって

大丈夫だよ…




「すっきりした部屋だな」

『人が来たの初めてです
親も友達も来たことありません』

そう言ったら先生は少し驚いていた

多分驚いたのは親もってとこだろうな
私としては初めての来客が先生っていう方がびっくりだけどね



『まず手洗ってください!足触ったし!』

そう言って洗面所へ押し込んだ
その間にベッドや机を片付けて私も手を洗う




『適当に座って下さいね テレビでも見てて』

髪を上げてエプロンをして、お米を洗う


『コーヒー入れましょうか?』

いいの?と喜んでいるので準備する
なんだか…彼氏みたい 笑



「すごいな…全部自分でやってるんでしょ?」

『先生も一緒でしょ?』

「俺料理はほぼしないから」

『外食だと太りませんか?太ってないけど』

「その分体動かすしね ジムとか」

『すごい!私運動音痴だから陸上とか尊敬する』

「苦手そう 笑」


先生はテレビもつけずに料理をする私と
ずっと話しをしてくれた



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