大切な人へ

今回の花火は先生と見たのよりも
規模が大きくてお祭りも近くでしている

でも先生と2人きりで見たものには
かなわないだろうなと思っているのは
みんなには内緒だ

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「美優~!」 『紗羅~!』

駅の前で熱く ハグハグ

その後2人にも会えた


駅からお祭りの場所までは徒歩

自然と前に紗羅と上田くんが歩いていて

必然的に私の横は井川くんなわけで...



終業式のことには触れず話しかける


『紗羅の横 とられちゃったね?』

「は?何が?」


もーとぼけちゃって

2人とも紗羅のこと好きなくせに



『別にー♪』


まぁ、私からあんまり言わない方がいいよね





「っていうか真っ白だな 引きこもり?」

『それに近いかな 笑
焼けると痛いし 昼には外出ない。

でも井川くんは真っ黒だね!』


「毎日野球してっからなー」

そう言いながら彼も自分の腕を見てて
私も横から覗いてる

夏休み前から焼けてきてたけど
顔も腕も真っ黒だ




そんなことを話していると

前を歩いていた2人がいなくなってた


慌てて電話をかけるけどつながらない...



『電話も気付かないみたい...』

立ち止まってスマホを見ていたら
前から歩いてきた人とぶつかってしまった



「おい!...大丈夫か?」

『大丈夫...ありがと』


彼はふらついた私の手を引いてくれた

でもそのまま握られた手に
ドキッとしてしまう...

彼の手は大きくて、少しごつごつしていた





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